「100万円を外貨預金にすると、いくらになる?」
外貨預金を始める前に、このように考える人は多いでしょう。
外貨預金は、円預金とは違って為替レートの変動によって、100万円が増えることもあれば、元本割れすることもあります。
さらに、外貨預金には金利による利息だけでなく、円から外貨へ交換するとき、外貨から円へ戻すときの為替手数料もあります。
この記事では、100万円を米ドルの外貨預金に預けた場合を例に、
- 100万円で何ドルになるのか
- 円安になるといくらになるのか
- 円高になるといくらになるのか
- 金利でどのくらい増えるのか
- 為替手数料を含めると損益はいくらになるのか
をシミュレーションします。
外貨預金は100万円がそのまま増えるわけではない
まず理解しておきたいのが、外貨預金の損益は「金利」だけでは決まらないということです。
外貨預金では、主に次の3つが損益に影響します。
- 為替レート
- 外貨預金の金利
- 為替手数料
特に重要なのが為替レートです。
たとえば、1ドル=150円のときに100万円を米ドルへ交換するとします。
単純化して為替手数料を考慮しない場合、
100万円 ÷ 150円=約6,666.67ドル
となります。
この6,666.67ドルを外貨預金として保有し、その後の為替レートが変わることで、円に戻したときの金額が変わります。
100万円を米ドルにするといくら?
1ドル=150円の場合、100万円を米ドルにすると約6,666.67ドルです。
| 為替レート | 100万円で購入できる米ドル |
|---|---|
| 140円 | 約7,142.86ドル |
| 145円 | 約6,896.55ドル |
| 150円 | 約6,666.67ドル |
| 155円 | 約6,451.61ドル |
| 160円 | 6,250ドル |
同じ100万円でも、ドルを購入する時点の為替レートによって購入できるドルの金額は変わります。
そのため、外貨預金では「100万円を預けた」というだけでは、将来いくらになるのかを判断できません。
100万円を外貨預金に預けた場合の損益シミュレーション
ここからは、1ドル=150円のときに100万円を米ドルへ交換したケースを考えます。
為替手数料や税金、金利は一旦考えず、為替レートだけが変化した場合を比較します。
購入できる米ドルは、
100万円 ÷ 150円=約6,666.67ドル
です。
このドルをそのまま保有して、円に戻した場合を見てみましょう。
| 売却時の為替レート | 円換算額 | 損益 |
|---|---|---|
| 120円 | 約80万円 | 約-20万円 |
| 130円 | 約86.7万円 | 約-13.3万円 |
| 140円 | 約93.3万円 | 約-6.7万円 |
| 150円 | 100万円 | ±0円 |
| 160円 | 約106.7万円 | 約+6.7万円 |
| 170円 | 約113.3万円 | 約+13.3万円 |
| 180円 | 120万円 | +20万円 |
このように、購入時より円安になれば為替差益が発生し、円高になれば為替差損が発生します。
たとえば、1ドル=150円で購入したドルを、1ドル=170円のときに円へ戻すと、
約6,666.67ドル × 170円=約113万3,333円
となります。
100万円が約113万3,333円になり、約13万3,333円の為替差益です。
一方、1ドル=130円まで円高になった場合は、
約6,666.67ドル × 130円=約86万6,667円
となります。
100万円から約13万3,333円減少する計算です。
100万円を外貨預金にして円安になったらいくら?
外貨預金の代表的なメリットが、円安になった場合の為替差益です。
例えば、1ドル=150円で100万円を米ドルに交換し、その後1ドル=160円になったとします。
購入したドルは約6,666.67ドルなので、
6,666.67ドル × 160円=約106万6,667円
となります。
つまり、為替レートだけを考えると、
100万円 → 約106万6,667円
となり、約6万6,667円の利益です。
さらに1ドル=170円になれば、約113万3,333円になります。
ただし、実際には為替手数料などが発生するため、利益がそのまま手元に残るわけではありません。
100万円を外貨預金にして円高になったらいくら?
反対に、円高になると外貨預金の円換算額は減少します。
1ドル=150円で100万円を米ドルに交換した後、1ドル=140円になった場合を考えてみましょう。
約6,666.67ドルを円に戻すと、
6,666.67ドル × 140円=約93万3,333円
です。
つまり、
100万円 → 約93万3,333円
となり、約6万6,667円の為替差損が発生します。
さらに1ドル=120円まで円高が進むと、
約6,666.67ドル × 120円=80万円
です。
100万円から20万円減少することになります。
このように、外貨預金は「高金利だから必ず儲かる」という商品ではありません。
外貨預金の金利で100万円はどのくらい増える?
外貨預金では、為替レートだけでなく金利による利息も受け取れます。
例えば、100万円を米ドルに交換した結果、6,666.67ドルになったとします。
仮に年利3%で1年間運用した場合、税金などを考慮しない単純計算では、
6,666.67ドル × 3%=約200ドル
の利息になります。
1ドル=150円のままだった場合、200ドルは約3万円です。
つまり、
元本:約6,666.67ドル
利息:約200ドル
合計:約6,866.67ドル
となります。
ただし、実際の受取利息には税金がかかるため、手取り額はこの計算より少なくなります。
また、外貨定期預金の場合は預入期間によって適用金利が異なることもあるため、単純に「年利×年数」で計算できない場合があります。
金利3%でも円高になると損をする?
ここが外貨預金を考えるうえで非常に重要なポイントです。
仮にドル金利が3%だったとしても、為替レートが大きく円高になると、利息以上の為替差損が発生する可能性があります。
例えば、
- 100万円を1ドル=150円でドルに交換
- 約6,666.67ドルを保有
- 年利3%で1年間運用
- 1年間で約200ドルの利息
- 1年後に1ドル=130円まで円高
とします。
税金などを無視して単純計算すると、
約6,866.67ドル × 130円
=約89万2,667円
となります。
100万円から見ると、約10万7,333円少ない金額です。
つまり、金利による利息があっても、円高による為替差損のほうが大きければ、トータルでは損失になることがあります。
これが外貨預金の大きな特徴です。
為替手数料を含めて考えることが重要
実際の外貨預金では、為替手数料も考慮する必要があります。
銀行で円を米ドルに交換するときには、金融機関が設定した為替コストがかかります。
さらに、ドルを円に戻すときにもコストが発生する場合があります。
そのため、
「購入時の為替レート」と「売却時の為替レート」が同じなら100万円に戻る
とは限りません。
例えば、為替レートが1ドル=150円のままだったとしても、円→ドル、ドル→円の交換時にそれぞれ手数料がかかれば、最終的な受取額は100万円を下回ります。
外貨預金の損益を計算するときは、為替レートだけでなく、円から外貨へ交換するときと、外貨から円へ戻すときの為替手数料を確認することが大切です。
100万円の損益を計算する基本式
外貨預金の損益を簡単に考える場合、次のように計算できます。
① 外貨購入額
円預金額 ÷ 購入時の為替レート=購入できる外貨
② 売却時の円換算額
保有している外貨 × 売却時の為替レート=円換算額
③ 損益
売却時の円換算額-最初に投資した円
となります。
実際にはここに、
- 為替手数料
- 外貨預金の利息
- 利息にかかる税金
- 為替差益に関する税金
などを考慮する必要があります。
100万円の外貨預金シミュレーション
ここまでの内容を簡単にまとめてみましょう。
「1ドル=150円で100万円を米ドルに交換した」という条件で、金利や手数料を考慮せずに為替レートだけを比較します。
| 1ドル= | 円換算額 | 100万円との差額 |
|---|---|---|
| 120円 | 80万円 | -20万円 |
| 130円 | 約86.7万円 | -約13.3万円 |
| 140円 | 約93.3万円 | -約6.7万円 |
| 150円 | 100万円 | ±0円 |
| 160円 | 約106.7万円 | +約6.7万円 |
| 170円 | 約113.3万円 | +約13.3万円 |
| 180円 | 120万円 | +20万円 |
この表からも分かるように、外貨預金では為替レートが10円動くだけでも、100万円規模なら数万円単位で損益が変わります。
外貨預金で100万円を運用するときの注意点
1. 元本保証ではない
外貨預金は円預金と違い、為替変動によって円換算額が元本を下回る可能性があります。
「銀行に預けているから安全」と考えるのではなく、為替リスクのある金融商品として考えることが重要です。
2. 高金利だけで銀行を選ばない
外貨預金では「金利が高い銀行」に注目しがちです。
しかし、実際の損益は、
金利+為替レート+為替手数料
によって決まります。
金利が高くても、為替手数料が高かったり、円高によって為替差損が発生したりすれば、期待した利益が得られない可能性があります。
3. 預入期間を確認する
外貨定期預金では、1か月、3か月、6か月、1年など、商品によって預入期間が異なります。
表示されている金利が「年利」なのか、キャンペーン期間だけの特別金利なのかなども確認しましょう。
4. 中途解約すると金利が変わる場合がある
外貨定期預金の場合、満期前に解約すると、当初の金利が適用されないケースがあります。
「高金利だから1年間預ける」という計画を立てても、途中で資金が必要になれば、想定していた利息を受け取れない可能性があります。
5. 税金も考慮する
外貨預金では、利息だけでなく為替差益についても税金が関係します。
実際の手取り額を計算するときには、税引前の利益だけで判断しないようにしましょう。
外貨預金の100万円シミュレーションで確認したいポイント
100万円を外貨預金で運用する場合は、次の項目を確認しておくとよいでしょう。
- 為替レート
-
「1ドル=いくらのときに買うのか」を確認します。
- 金利
-
年利だけではなく、適用期間や満期時の条件も確認します。
- 為替手数料
-
円から外貨へ交換するときだけでなく、外貨から円へ戻すときのコストも確認します。
- 預入期間
-
短期運用なのか、長期運用なのかを決めます。
- 税金
-
利息や為替差益にかかる税金を考慮します。
100万円を外貨預金にするなら「いくら増えるか」だけで判断しない
外貨預金で100万円を運用すると、為替レートの変化によって100万円を上回ることもあれば、100万円を下回ることもあります。
例えば、1ドル=150円で100万円を米ドルに交換した場合、為替レートが170円になれば約113万3,333円、130円になれば約86万6,667円です。
この差は、わずかな為替変動でも大きな金額になります。
そのため、外貨預金を始めるときは、
「金利が何%か」だけではなく、「円高になったら100万円がいくらになるのか」までシミュレーションすることが重要です。
特に100万円のようにまとまった金額を運用する場合は、複数の為替レートを想定して、利益と損失の両方を確認しておきましょう。
まとめ
外貨預金で100万円を運用した場合、将来いくらになるかは、主に為替レート・金利・為替手数料によって決まります。
1ドル=150円で100万円を米ドルに交換した場合、約6,666.67ドルになります。
その後、
- 1ドル=130円 → 約86.7万円
- 1ドル=140円 → 約93.3万円
- 1ドル=160円 → 約106.7万円
- 1ドル=170円 → 約113.3万円
- 1ドル=180円 → 120万円
というように、為替レートによって円換算額は大きく変わります。
さらに実際には、外貨預金の利息が加わる一方、為替手数料や税金なども考慮する必要があります。
外貨預金は「100万円がいくらになるか」を金利だけで考えるのではなく、円高・円安の両方を想定して損益をシミュレーションすることが大切です。
外貨預金を検討するときは、実際に利用する銀行の金利や為替手数料を確認し、自分の運用期間とリスク許容度に合った金額から始めるようにしましょう。