外貨預金のリスクを初心者向けに解説|元本割れするケースや注意点をわかりやすく紹介

外貨預金のリスクをやさしく解説

外貨預金は、日本円を米ドルなどの外国通貨に交換して預金する金融商品です。円預金よりも高い金利が期待できる場合がある一方、為替レートの変動によって元本割れする可能性があります。

「外貨預金を始めてみたいけれど、どんなリスクがあるのかわからない」「外貨預金で損をするのはどんなとき?」と気になっている人も多いでしょう。

この記事では、外貨預金の代表的なリスクを初心者向けにわかりやすく解説します。

外貨預金とは?

外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなどの外国通貨に交換して預金することです。

例えば、1ドル=150円のときに15万円を米ドルへ交換すると、単純計算では1,000ドルになります。

その後、米ドルのまま預金して金利を受け取り、円に戻すときの為替レートによって最終的な日本円の受取額が決まります。

つまり外貨預金では、

  • 預金金利
  • 為替レート
  • 為替手数料
  • 預け入れる期間

などが、最終的な損益に影響します。

そのため、「金利が高いから必ず儲かる」という商品ではありません。

外貨預金にはどんなリスクがある?

初心者が知っておきたい外貨預金の主なリスクは、次のとおりです。

  1. 為替変動リスク
  2. 元本割れリスク
  3. 為替手数料のリスク
  4. 金利変動リスク
  5. 中途解約のリスク
  6. 預金保険制度の対象外というリスク
  7. 外貨のまま使えない場合があるリスク

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.為替変動リスク

外貨預金で最も重要なのが、為替変動リスクです。

外貨預金では、預け入れた外国通貨の価値が日本円に対して変動します。

例えば、1ドル=150円のときに1万ドルを保有した場合、日本円に換算すると150万円です。
しかし、その後に円高になり、1ドル=130円になったとします。

この場合、1万ドルの価値は、

1万ドル×130円=130万円

となります。

つまり、ドルの数量自体は1万ドルのままでも、日本円で見た評価額は150万円から130万円に減少します。
逆に、1ドル=170円になれば、

1万ドル×170円=170万円

となり、円安によって日本円換算額は増えます。

このように、外貨預金では為替レートによって円換算した資産価値が変動する点に注意が必要です。

2.元本割れするリスク

外貨預金では、預け入れた金額を日本円に戻したときに、最初に投入した日本円を下回る可能性があります。

例えば、100万円を1ドル=150円で米ドルに交換するとします。

為替手数料などを考慮しない単純計算では、

100万円÷150円=約6,666.67ドル

です。

その後、1ドル=130円まで円高が進んだ場合、

約6,666.67ドル×130円=約86万6,667円

となります。

100万円を預けたのに、日本円に戻すと約86万7,000円です。

このように、金利を受け取っていても為替差損によって元本割れすることがあります。

外貨預金では「預金だから元本割れしない」と考えないことが重要です。

3.為替手数料がかかるリスク

外貨預金では、日本円から外貨へ交換するとき、また外貨から日本円へ戻すときに為替手数料がかかる場合があります。

例えば、

円→ドル

と

ドル→円

の両方で手数料が発生するケースがあります。

そのため、為替レートがほとんど変わらなかったとしても、手数料によって実際の受取額が減る可能性があります。

外貨預金を比較するときは、金利だけではなく、

  • 円から外貨へ交換するときの手数料
  • 外貨から円へ戻すときの手数料
  • インターネット取引時の手数料
  • キャンペーンなどによる優遇

も確認しましょう。

「金利が高い銀行=必ず有利」とは限らないことがポイントです。

4.金利変動リスク

外貨預金の金利は、商品や銀行によって異なります。また、普通預金タイプでは金利が変動する場合があります。

高い金利が提示されているからといって、その金利が将来も同じとは限りません。
また、定期預金タイプの場合は、満期後に同じ条件で運用できるとは限りません。

例えば、現在の金利が高くても、満期を迎えたときに金利が低下している可能性があります。

外貨預金では、現在の金利だけでなく、預け入れ期間や満期後の取り扱いも確認することが大切です。

5.中途解約のリスク

外貨定期預金などでは、満期まで預けることを前提としている商品があります。

途中で資金が必要になった場合、中途解約によって当初予定していた金利が適用されなかったり、所定の条件で払い戻されたりすることがあります。

そのため、近いうちに使う予定のあるお金を、すべて外貨預金に回すのはおすすめできません。

外貨預金を始めるなら、生活費や近い将来に必要になる資金とは分けて考えることが重要です。

6.預金保険制度の対象外

日本の円預金には、一定の条件のもとで預金保険制度による保護があります。
一方、一般的な外貨預金は預金保険制度の対象外です。

これは初心者が特に注意したいポイントです。

「銀行の預金だから円預金と同じように保護される」と考えるのではなく、外貨預金には円預金とは異なる制度上の取り扱いがあることを理解しておきましょう。

7.外貨のままでは使いにくい場合がある

外貨預金で米ドルを保有していても、日本国内で普段の買い物をするためには、最終的に円へ交換する必要があります。
一方、海外旅行などで外貨を利用する場合には、外貨預金を活用できるケースもあります。

例えば、銀行の外貨預金と連携したデビットカードなどを利用できれば、海外での支払いに外貨を活用できる場合があります。

ただし、利用できる通貨や手数料、対応するサービスは金融機関によって異なるため、事前の確認が必要です。

外貨預金のリスクを具体例で確認

ここでは、100万円を米ドルに交換したケースを考えてみましょう。

為替レートを1ドル=150円とすると、

100万円÷150円=約6,666ドル

となります。

その後、為替レートが変化すると、日本円での評価額は次のようになります。

為替レート約6,666ドルの円換算額
120円約80万円
130円約86.7万円
140円約93.3万円
150円約100万円
160円約106.7万円
170円約113.3万円

※手数料や税金、利息などを考慮しない単純計算です。

この表からもわかるように、円高になるほど円換算した外貨預金の価値は下がり、円安になるほど上がります。
例えば1ドル=150円で購入して120円になった場合、約20万円の為替差損が発生する計算です。

外貨預金は「金利」だけで判断しない

外貨預金を選ぶときに、金利だけを比較するのは危険です。

例えば、銀行Aの金利が年5%、銀行Bが年3%だったとします。

金利だけを見ると銀行Aのほうが魅力的に見えます。
しかし、外貨預金では為替レートが大きく変動する可能性があります。

仮に高金利で運用できても、円高による為替差損が金利収入を上回れば、最終的に損失になることがあります。

そのため、

金利+為替レート+為替手数料+運用期間

をまとめて考えることが大切です。

外貨預金のリスクを抑える方法

外貨預金のリスクを完全になくすことはできません。
しかし、リスクを抑えるためにできることはあります。

購入を複数回に分ける

一度にまとまった金額を外貨へ交換するのではなく、複数回に分けて購入する方法があります。

例えば100万円を一度に交換するのではなく、

  • 25万円
  • 25万円
  • 25万円
  • 25万円

のように分けて購入します。

購入タイミングを分散することで、特定のタイミングで為替レートが大きく変動した場合の影響を抑えやすくなります。

余裕資金で運用する

外貨預金には為替変動があるため、近いうちに使う予定のお金をすべて外貨に交換するのは避けたほうがよいでしょう。
生活費や住宅購入資金など、使う時期が決まっている資金とは分けて考えることが大切です。

長期的な目的を考える

「今ドルを買えばすぐ利益が出る」と考えるのではなく、なぜ外貨を保有するのかを考えてみましょう。

例えば、

  • 海外旅行に使う
  • 海外留学に備える
  • 海外出張の費用を準備する
  • 円だけに資産を集中させない
  • 外貨の金利を活用する

など、目的によって適した運用方法は変わります。

手数料を比較する

銀行によって為替手数料は異なります。
外貨預金を始める前に、金利だけでなく為替手数料も確認しましょう。

特に少額で何度も交換する場合、手数料が運用結果に与える影響を確認することが重要です。

外貨預金は初心者に向いている?

外貨預金は、仕組み自体は比較的わかりやすい金融商品です。

一方で、為替レートによって日本円での資産価値が変わるという点は、円預金とは大きく異なります。

そのため、初心者の場合は、まず少額から始めて、

  1. 円を外貨へ交換する
  2. 外貨で預金する
  3. 金利を受け取る
  4. 為替レートが変動する
  5. 外貨を円へ戻す

という流れを理解するとよいでしょう。

いきなり大きな金額を運用するのではなく、仕組みとリスクを理解しながら始めることが大切です。

外貨預金のメリットも理解しておこう

ここまでリスクを紹介しましたが、外貨預金にはメリットもあります。

代表的なメリットは次のとおりです。

  • 円預金より高い金利が設定される場合がある
  • 外貨を保有できる
  • 円安になった場合に為替差益が期待できる
  • 海外旅行などで外貨を利用できる場合がある
  • 円だけに資産を集中させることを避けられる

ただし、メリットとリスクは表裏一体です。

例えば、円安になれば為替差益が期待できる一方、円高になると為替差損が発生する可能性があります。

外貨預金のリスクを理解してから始めよう

外貨預金で初心者が特に覚えておきたいのは、「外貨預金=元本保証の円預金ではない」ということです。

特に重要なのが為替変動リスクです。

外貨預金では、金利による利益だけでなく、為替レートの変化によって損益が大きく変わる可能性があります。

また、

  • 為替手数料
  • 金利変動
  • 中途解約
  • 預金保険制度の対象外
  • 外貨を円に戻す際の為替レート

なども確認する必要があります。

外貨預金を始めるときは、「金利が高いから」という理由だけで選ばず、どのくらいの期間、いくら運用するのか、為替が変動した場合にどうするのかまで考えることが重要です。

まずは少額から始めたり、購入タイミングを分散したりすることで、為替変動の影響を抑えながら外貨預金を学ぶ方法もあります。

外貨預金の仕組みとリスクを正しく理解し、自分の資金計画に合った方法で運用することを心がけましょう。