TTSとTTBの違いを初心者向けに解説|外貨預金の為替レートをわかりやすく紹介

TTSとTTBの違いをやさしく解説

外貨預金を始めようとすると、「TTS」「TTB」という言葉を目にすることがあります。

どちらも銀行が外貨を円に交換するときなどに使う為替レートですが、TTSは「円から外貨へ交換するときのレート」、TTBは「外貨から円へ交換するときのレート」という違いがあります。

外貨預金では、このTTSとTTBの違いを理解しておかないと、想定していたよりも受取金額が少なくなることがあります。

この記事では、TTSとTTBの意味や違い、外貨預金での具体的な使われ方について、初心者向けにわかりやすく解説します。

TTSとTTBとは?

まず、TTSとTTBの意味を簡単に確認しましょう。

用語意味主に使われる場面
TTSTelegraphic Transfer Selling Rate円→外貨へ交換するとき
TTBTelegraphic Transfer Buying Rate外貨→円へ交換するとき
TTMTelegraphic Transfer Middle RateTTS・TTBの基準となるレート

銀行が提示する為替レートには、銀行側から見て「外貨を売る場合」と「外貨を買う場合」で異なるレートが設定されています。

そのため、円をドルにするときと、ドルを円に戻すときでは同じ為替レートになりません。

これが外貨預金でTTS・TTBを理解する重要なポイントです。

TTSとは?

TTSとは、Telegraphic Transfer Selling Rateの略です。

日本語では一般的に「対顧客電信売相場」と呼ばれます。

簡単にいうと、銀行から外貨を買うときに適用されるレートです。

例えば、円を米ドルに交換して外貨預金を始める場合、銀行が提示するTTSが使われます。

TTSのイメージ

例えば、銀行の為替レートが次のようになっていたとします。

  • TTM:1ドル=150円
  • TTS:1ドル=150円50銭
  • TTB:1ドル=149円50銭

この場合、100万円をドルに交換するときには、基本的にTTSで計算します。

100万円 ÷ 150.50円 = 約6,644ドル

このように、円から外貨を購入するときはTTSを確認することがポイントです。

TTBとは?

TTBとは、Telegraphic Transfer Buying Rateの略です。

日本語では一般的に「対顧客電信買相場」と呼ばれます。

簡単にいうと、銀行が外貨を買い取るときに適用されるレートです。

外貨預金で保有している米ドルを円に戻す場合などに使われます。

例えば、1ドル=149円50銭がTTBだった場合、6,644ドルを円に戻すと、

6,644ドル × 149.50円 = 約993,278円

となります。

実際の計算では、銀行の商品内容や適用条件、税金などによって異なる場合があります。

TTSとTTBの違い

TTSとTTBの違いを一言で説明すると、

TTSは外貨を買うとき、TTBは外貨を売るときのレート

です。

イメージすると次のようになります。

円 → 外貨

円を銀行に渡して外貨を購入
↓
TTSが適用される

一方、

外貨 → 円

外貨を銀行に渡して円を受け取る
↓
TTBが適用される

という関係です。

なぜTTSとTTBは違うの?

TTSとTTBが異なる大きな理由は、銀行の為替手数料がレートに含まれているためです。

例えば、

  • TTM:1ドル=150円
  • TTS:1ドル=150円50銭
  • TTB:1ドル=149円50銭

だったとします。

この場合、TTMを基準にすると、

  • 円→ドル:150円50銭
  • ドル→円:149円50銭

となっています。

TTSとTTBの間には1円の差があります。

この差を一般的に為替スプレッドと呼びます。

銀行によっては「為替手数料○銭」と表示されることもあります。

TTMとは?

TTSとTTBを理解するためには、TTMも知っておくと便利です。

TTMはTelegraphic Transfer Middle Rateの略で、「仲値」と呼ばれることがあります。

簡単にいうと、銀行が為替取引の基準として使う中心的なレートです。

例えば、

  • TTM:150円
  • TTS:150円50銭
  • TTB:149円50銭

なら、TTMを中心としてTTSとTTBが設定されています。

ただし、実際のレートの設定方法やスプレッドは銀行や取引内容によって異なります。

外貨預金ではTTSとTTBの両方が重要

外貨預金では、TTSだけを見て銀行を選ぶのはおすすめできません。

なぜなら、外貨預金を始めるときにはTTSが関係しますが、外貨を円に戻すときにはTTBが関係するからです。

例えば、米ドルを購入するときに、

「この銀行は円からドルへの交換手数料が安い」

と思っても、ドルを円に戻すときの条件が異なる可能性があります。

そのため、外貨預金を比較するときは、

  • TTS
  • TTB
  • TTSとTTBの差
  • 為替手数料
  • 外貨預金金利

などを確認することが大切です。

TTSとTTBの差が大きいとどうなる?

TTSとTTBの差が大きいほど、外貨を購入してすぐに円へ戻した場合の負担が大きくなります。

例えば、

  • TTS:1ドル=151円
  • TTB:1ドル=149円

だったとします。

この場合、TTSとTTBには2円の差があります。

100万円をドルに交換すると、約6,623ドルになります。

これを同じタイミングで円に戻すと、

6,623ドル × 149円 = 約986,827円

となります。

つまり、為替レートがほとんど動いていなくても、TTSとTTBの差によって円に戻したときの金額が減る可能性があります。

そのため、外貨預金では金利だけでなく為替コストにも注目する必要があります。

外貨預金の利益を考えるときはTTS・TTBを確認する

外貨預金の利益を考えるときには、単純に「金利が高い銀行」を選べばいいとは限りません。

例えば、米ドル外貨預金で年利が高くても、

  • 円からドルへ交換するときのコストが高い
  • ドルから円へ戻すときのコストが高い
  • 預入期間が短い
  • 為替レートが円高になった

といった条件が重なると、円換算では利益が小さくなったり、元本割れしたりする可能性があります。

そのため、外貨預金を比較するときには、

金利+為替レート+為替コスト

をまとめて考えることが重要です。

TTS・TTBを使った計算例

ここでは、100万円を米ドル外貨預金に預けるケースを考えてみます。

仮に、

  • TTS:1ドル=150円
  • TTB:1ドル=149円
  • 預入金額:100万円
  • 金利:年3%
  • 預入期間:1年間

とします。

まず、100万円をドルに交換すると、

100万円 ÷ 150円 = 約6,666.67ドル

となります。

1年間、年3%で運用した場合、税金などを考慮しない単純計算では、

6,666.67ドル × 1.03
= 約6,866.67ドル

です。

これをTTBの149円で円に戻すと、

6,866.67ドル × 149円
= 約1,023,133円

となります。

このように、外貨預金の最終的な円換算額を考えるときには、預け入れ時のTTSだけでなく、払い戻し時のTTBも重要です。

※実際の外貨預金では、税金、利息の計算方法、為替レートの変動、商品ごとの条件などによって結果が変わります。

TTSとTTBを確認するときの注意点

1.銀行によってレートが異なる

TTSやTTBは、すべての銀行で同じではありません。

同じ日に米ドルを購入する場合でも、銀行によって適用される為替レートやスプレッドが異なることがあります。

外貨預金を比較するときは、銀行ごとの最新の為替レートを確認しましょう。

2.時間帯によってレートが変わることがある

為替相場は常に変動しています。

そのため、実際に外貨を購入するときには、確認したレートと取引時のレートが異なる場合があります。

また、銀行によってレートの更新タイミングも異なるため、具体的な取引条件を確認することが重要です。

3.「手数料無料」だけで判断しない

銀行によっては「為替手数料無料」と表示されていることがあります。

しかし、外貨預金では、手数料が別途かかるかどうかだけでなく、実際に適用されるTTS・TTBやスプレッドを見ることが大切です。

「手数料無料=必ず一番お得」とは限りません。

TTS・TTBを覚える簡単な方法

TTSとTTBは名前が似ているため、初心者には覚えにくい言葉です。

次のように覚えると簡単です。

TTS → Sell → 銀行が外貨を売る → 顧客が外貨を買う

TTB → Buy → 銀行が外貨を買う → 顧客が外貨を売る

つまり、

TTS=外貨を買うとき
TTB=外貨を売るとき

と覚えておけば、外貨預金では十分対応できます。

海外旅行でもTTS・TTBは関係する?

TTS・TTBは外貨預金だけの話ではありません。

銀行で円を外貨に交換したり、外貨を円に戻したりするときにも、為替レートの考え方として関係します。

海外旅行のために米ドルなどを準備する場合も、

「1ドル=○円」

という為替レートだけを見るのではなく、実際にどのレートで外貨を購入できるのかを確認することが大切です。

外貨預金を利用して旅行前に外貨を準備する場合も、TTSや為替スプレッドを確認しておくと、両替コストを把握しやすくなります。

TTSとTTBの違いまとめ

TTSとTTBの違いは、次のように整理できます。

項目TTSTTB
正式名称Telegraphic Transfer Selling RateTelegraphic Transfer Buying Rate
日本語対顧客電信売相場対顧客電信買相場
外貨預金での場面円→外貨外貨→円
銀行から見ると外貨を売る外貨を買う
顧客から見ると外貨を買う外貨を売る

初心者は、

「円からドルにするときはTTS」

「ドルから円に戻すときはTTB」

と覚えておけばよいでしょう。

外貨預金では、金利だけでなくTTS・TTBの差による為替コストも利益に影響します。

そのため、銀行を比較するときは、金利・為替手数料・TTS・TTB・預入期間などを総合的に確認することが大切です。

特に「高金利だからお得」と考えるのではなく、実際に円から外貨へ交換し、最終的に外貨を円へ戻した場合にいくらになるのかをシミュレーションすると、より正確に比較できます。