外貨預金とは、日本円ではなく米ドルやユーロなどの外国通貨でお金を預ける預金のことです。
日本円の預金とは異なり、外貨預金では「金利」に加えて「為替レートの変動」によって利益や損失が発生する可能性があります。
「外貨預金に興味はあるけれど、仕組みがよく分からない」「円預金と何が違うの?」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、外貨預金の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、為替差益、金利、始め方、FXとの違いまで、初心者にも分かりやすく解説します。
外貨預金とは?
外貨預金は、日本円を米ドルなどの外国通貨に交換して、銀行に預ける金融商品です。
例えば、1ドル=150円のときに15万円を米ドルへ交換すると、為替手数料などを考慮しなければ1,000米ドルになります。
その1,000米ドルを銀行の外貨普通預金や外貨定期預金に預け、一定期間保有します。
その後、米ドルを日本円に戻すときの為替レートが1ドル=155円になっていれば、為替レートだけを考えると円換算額は増えます。
一方、1ドル=145円になっていれば、円換算額は減少します。
つまり外貨預金では、
「預金金利」+「為替レートの変動」
の両方が、最終的な損益に影響します。
外貨預金の仕組み
外貨預金の基本的な流れは、次のようになります。
まず、外貨預金を利用する銀行に日本円を入金します。
銀行によっては、普通預金口座からそのまま外貨へ交換できる場合もあります。
銀行が提示する為替レートを利用して、日本円を米ドルなどの外国通貨に交換します。
例えば、
1ドル=150円
のときに15万円を交換すると、為替手数料を考慮しなければ1,000ドルになります。
実際には銀行ごとに為替手数料や為替スプレッドが設定されているため、表示されている為替レートだけでなく、円から外貨へ交換するときのコストも確認することが重要です。
交換した外貨を、外貨普通預金または外貨定期預金に預けます。
外貨普通預金は比較的自由に入出金できる一方、外貨定期預金は一定期間預ける代わりに、普通預金より高い金利が設定される場合があります。
外貨預金を解約・払戻しするときは、外貨を日本円に交換できます。
このときの為替レートによって、円換算した受取額が変わります。
外貨預金のメリット
外貨預金には、主に次のようなメリットがあります。
円預金より高い金利が期待できる場合がある
外貨預金では、通貨や銀行、預入期間などによって、円預金より高い金利が設定されている場合があります。
特に米ドルなどは、金利水準によって魅力的な金利が設定されることがあります。
ただし、金利が高いから必ず利益が出るわけではありません。
外貨預金では為替レートが変動するため、金利収入を上回る為替差損が発生する可能性があります。
為替レートの変動による利益を狙える
外貨預金では、外貨を購入したときよりも円安になったタイミングで円に戻すと、為替差益が発生する可能性があります。
例えば、1ドル=150円のときに1,000ドルを購入し、その後1ドル=160円になった場合、為替レートだけを考えると、
1,000ドル × 160円 = 16万円
となります。
購入時の15万円との差額は1万円です。
実際には為替手数料や預金金利、税金なども考慮する必要があります。
海外旅行や海外留学などにも活用できる
米ドルなどの外貨を保有しておけば、海外旅行や海外留学、海外出張などで外貨を利用する際の選択肢になります。
銀行によっては、外貨預金と連携したデビットカードなどを提供している場合もあります。
海外での支払いに外貨を利用できるサービスを活用すれば、日本円から現地通貨へその都度交換する方法とは異なる使い方ができます。
資産を複数の通貨に分けられる
外貨預金を利用すると、日本円だけでなく米ドルなどの外国通貨も保有できます。
資産の一部を外貨で持つことで、複数の通貨を保有するという選択肢ができます。
ただし、外貨を保有することで為替変動の影響も受けるため、「分散すれば必ず安全」というわけではありません。
外貨預金のデメリット・注意点
外貨預金を始める前には、メリットだけでなくリスクも理解しておきましょう。
為替レートによって元本割れする可能性がある
外貨預金で特に注意したいのが、為替変動リスクです。
例えば1ドル=150円のときに米ドルを購入し、その後1ドル=140円になった場合、同じ1,000ドルを保有していても円換算額は、
1,000ドル × 140円 = 14万円
となります。
購入時の15万円と比較すると、1万円少なくなります。
このように、預金金利を受け取っていても、為替レートの変動によって円換算では損失が発生する可能性があります。
為替手数料がかかる
外貨預金では、円から外貨へ交換するとき、また外貨から円へ戻すときに為替手数料などのコストが発生する場合があります。
例えば、円から米ドルへ交換するときに1ドルあたり一定額の手数料が設定されている場合、預け入れる金額が大きくなるほど手数料の影響も大きくなります。
そのため、外貨預金を比較するときは、
金利だけでなく為替手数料も確認することが重要です。
預金期間によって使い勝手が異なる
外貨定期預金の場合、あらかじめ預入期間が決められていることがあります。
例えば1か月、3か月、6か月、1年など、銀行によってさまざまです。
また、キャンペーン金利などでは、通常の金利とは異なる条件が設定されていることもあります。
そのため、金利の数字だけではなく、
- 預入期間
- 適用条件
- 中途解約時の取り扱い
- 自動継続の条件
なども確認しましょう。
円預金とは異なり、預金保険制度の対象外
外貨預金は、一般的な円預金とは異なり、預金保険制度の対象外です。
銀行が破綻した場合の取り扱いが円預金とは異なるため、外貨預金を利用する際にはこの点も理解しておく必要があります。
外貨預金の「為替差益」とは?
外貨預金では、為替レートの変化によって利益が発生することがあります。
これを一般に為替差益といいます。
例えば、
- 1ドル=150円で1,000ドル購入
- 1ドル=160円で1,000ドルを円に交換
した場合、
購入時:15万円
売却時:16万円
となるため、為替レートだけを考えると1万円の差額が発生します。
ただし、実際の損益を考える場合は、為替手数料や受け取った利息なども含めて計算する必要があります。
逆に、円高になれば為替差損が発生する可能性があります。
外貨預金は「金利」だけで比較しない
外貨預金を比較するとき、金利は重要なポイントです。
しかし、金利が一番高い銀行=必ずしも実際の受取額が一番多い銀行、とは限りません。
その理由は、銀行によって、
- 金利
- 預入期間
- 為替手数料
- 適用条件
- キャンペーン内容
などが異なるためです。
例えば、年利が高くても預入期間が短ければ、1年間で受け取れる利息は単純に比較できません。
また、円から外貨を購入するときの為替コストが高ければ、金利による利益の一部が手数料によって減少する可能性があります。
そのため、外貨預金を比較するときは、金利だけでなく「金利+為替コスト+預入期間」を確認することが大切です。
外貨普通預金と外貨定期預金の違い
外貨預金には、大きく分けて「外貨普通預金」と「外貨定期預金」があります。
| 項目 | 外貨普通預金 | 外貨定期預金 |
|---|---|---|
| 預入期間 | 基本的に自由 | 一定期間 |
| 資金の出し入れ | 比較的しやすい | 制限がある場合がある |
| 金利 | 比較的低めの場合がある | 高めに設定される場合がある |
| 利便性 | 高い | 預入期間を考える必要がある |
| 為替リスク | あり | あり |
どちらを利用するかは、「いつ使うお金なのか」を考えて決めることが大切です。
近いうちに使う可能性があるお金なら、資金を固定する定期預金よりも普通預金のほうが使いやすい場合があります。
外貨預金とFXの違い
外貨預金とFXは、どちらも為替レートの変動によって損益が発生しますが、仕組みは大きく異なります。
| 項目 | 外貨預金 | FX |
|---|---|---|
| 主なサービス提供者 | 銀行 | FX会社など |
| 外貨を保有 | する | 通貨ペアの売買・建玉 |
| レバレッジ | 基本的になし | 利用できる |
| 預金金利 | あり | スワップポイントなど |
| 為替変動リスク | あり | あり |
| 元本保証 | なし | なし |
外貨預金は、銀行で外貨を預金として保有するシンプルな仕組みです。
一方、FXは証拠金を利用して通貨を売買する取引で、レバレッジを利用できるため、少ない資金で大きな取引を行える反面、価格変動による損益も大きくなる可能性があります。
そのため、外貨預金とFXは似ているようで、リスクや仕組みが異なる金融商品です。
外貨預金はどんな人に向いている?
外貨預金は、例えば次のような人に検討されることがあります。
- 外貨を保有してみたい人
-
日本円だけでなく、米ドルなどの外国通貨を保有する方法を検討している人
- 海外旅行や留学の予定がある人
-
将来的に米ドルなどの外貨を使う予定があり、事前に外貨を準備しておきたい人
- 外貨の金利に注目している人
-
円預金とは異なる金利水準の預金商品を検討している人
- 為替レートの変動を理解して利用できる人
-
外貨預金は元本が円ベースで保証される商品ではありません。そのため、為替レートによって円換算額が変わることを理解したうえで利用することが重要です。
外貨預金を始める方法
外貨預金を始める一般的な流れは次のとおりです。
まず外貨預金を取り扱っている銀行を比較します。
比較するときは、
- 米ドルなどの取扱通貨
- 金利
- 為替手数料
- 預入期間
- 最低預入金額
- 外貨の入出金方法
- キャンペーン
などを確認しましょう。
利用したい銀行の口座を開設します。
すでに口座を持っている場合は、そのまま外貨預金を利用できるケースもあります。
銀行のサービスを利用して、日本円を米ドルなどの外貨へ交換します。
外貨普通預金または外貨定期預金など、目的に合った商品を選びます。
外貨を日本円に戻す場合は、その時点の為替レートが適用されます。
外貨預金で銀行を比較するときのポイント
外貨預金を始めるなら、銀行を選ぶ際に次のポイントを確認しておきましょう。
- 金利
-
まず確認したいのが外貨預金の金利です。
ただし、キャンペーン金利の場合は、適用期間や対象者などの条件を確認しましょう。 - 為替手数料
-
金利と同じくらい重要なのが為替コストです。
特に短期間で円と外貨を交換する場合は、為替手数料が損益に与える影響を確認することが大切です。 - 預入期間
-
外貨定期預金の場合は、1か月、3か月、6か月、1年など、預入期間によって金利が変わる場合があります。
自分がいつまで資金を使わないのかを考えて選びましょう。 - 取扱通貨
-
米ドルだけでなく、ユーロ、豪ドル、NZドルなど、銀行によって取扱通貨が異なります。
海外旅行や留学など、具体的な用途がある場合は必要な通貨を取り扱っているか確認しましょう。
外貨預金のまとめ
外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなどの外国通貨に交換して預金する金融商品です。
外貨預金では、預金金利を受け取れる一方、為替レートの変動によって円換算額が増減します。
外貨預金を検討するときは、
- 金利
- 為替手数料
- 預入期間
- 為替変動リスク
- 外貨普通預金と外貨定期預金の違い
- 自分が外貨を使う目的
などを確認することが重要です。
特に、「金利が高い銀行を選べばいい」と考えるのではなく、金利と為替コストを合わせて比較することがポイントです。
外貨預金は、仕組みを理解してから銀行ごとの条件を比較することで、自分の目的に合った商品を探しやすくなります。
まずは米ドル外貨預金を中心に、各銀行の金利や為替手数料、預入期間などを比較してみましょう。